基礎工学実験

・研究、開発、製造の各分野において、高速かつ高感度の分析が必要とされ、種々の機器分析法を理解することが要求されている。本実験では、実際の試料と分析機器類を用いた分析を行い、分析機器の原理、分析法、データ解析法について学修する。「卒業研究」で必要となる分析データの取得に応用することが可能な能力を育成する。


<紫外・可視分光法>
 試料物質の基底状態から励起状態への電子遷移に基づく、光(紫外光、可視光)を吸収する現象を利用する定性定量分析方法である。

  

<高速液体クロマトグラフィー(HPLC)>

 液体を移動相に用いて、送液ポンプにより高速で流し、固定相との吸着性の差を利用することで試料成分の各成分を分離する方法である。

  

<熱分析(TG)>
 試料を加熱した時の重量変化を測定する。これにより、加熱による物質の安定性、反応性に関する情報が得られる。

  

<核磁気共鳴分光法(NMR)>
 磁気モーメントをもつ原子核を磁場中に置くとゼーマン効果によりいくつかのエネルギー状態が生じる。このエネルギー差に相当する周波数を持つ電磁波を照射すると、分裂した核スピン状態間の遷移に基づくエネルギー吸収が観測される。その共鳴吸収位置(化学シフト)の相違によりいろいろな化合物を定性できる方法である。

 

<ガスクロマトグラフィー(GC)>
 移動相に気体を用いて、固定相との吸着性の差を利用することで試料成分の各成分を分離する方法である。

 

<ヒト細胞による物質分析、機能検索手法>

 

<赤外分光法(IR)>
 試料に赤外線をあて、双極子モーメントが変化する分子骨格の振動、回転に対応するエネルギーの吸収を測定する。有機化合物を構成する基はそれぞれほぼ固有の振動スペクトルを与えるので、吸収波数より試料を定性できる方法である。

  

<DNAの電気泳動と蛍光染色>
 コロイドや高分子イオンなどの荷電粒子を含む溶液に電場を加えると荷電粒子が静止溶液を移動する現象を電気泳動という。この現象を利用する方法である。

  

<原子吸光分析>
 試料を化学炎などで熱解離し、生成した基底状態の原子蒸気に、特定波長の光を照射したとき起こる原子の吸光現象を利用した分析方法である。